クラリネットの歴史
現在のクラリネットが出来るまでには、様々な歴史がありました。まずはクラリネットが出来上がるまでをみて行きましょう。
クラリネットとシャリュモー
クラリネットの原型は、シャリュモーという葦で出来た民族楽器でした。これはリコーダーのような縦型の笛で、クラリネットと同じ1枚のリード(葦製の薄い板)を使用して音を出す楽器でした。しかし、シャリュモーは今のクラリネットのようなたくさんのキーやホールが存在していなかったために、ごく狭い音域しか持ち合わせていませんでした。シャリュモーが持っていた低音域は現在「シャリュモー音域」と呼ばれ、クラリネットの低音域を指す際に使用されています。
シャリュモーからクラリネットへ
そんなシャリュモーの音域の狭さを改善し、現在のクラリネットの基本となる楽器を作ったのはドイツでリコーダーやフルートなどの楽器制作を行っていたJ.C.デンナーという人物でした。デンナーがシャリュモーにレジスターキーという、キーを設けたことで、音域はぐんと広がり、目の覚めるような高音まで出せるほどに進化しました。そのときに出した高音がクラリーノという金管楽器の音に似ていたために、デンナーによって「クラリネット(小さなクラリーノ)」と名づけられました。
クラリネットの発展
その後さらに改良や研究がなされ、どんどんキーや音域が増えてゆき、19世紀の初頭にドイツのクラリネット奏者であるI.ミュラーによって13のキーが付いた「ミュラー式クラリネット」が誕生しました。ミュラー式クラリネットは、のちに誕生するエーラー式クラリネットの基礎となりました。
そして現在のクラリネットへ
フランスでは、フルートを劇的に進化させたテオバルト・ベーム氏による画期的なキーシステム「ベーム式キーシステム」を、クラリネット奏者であり音楽院の教授でもあったH.クローゼと、のちにクラリネットの有名メーカーとなるビュッフェ・クランポンの楽器製作者L.A.ビュッフェの二人が、クラリネットに転用することを成し遂げ、ついに今までのミュラー式では困難であった運指のスムーズさや移調への対応などを可能にした、現在一般的に使用されているクラリネットのほぼ完成形が開発されたのです。
ドイツ式クラリネットとフランス式クラリネット
フランス式=ベーム式クラリネットは世界中に広まっていき、沢山の人に演奏されるクラリネットとして“定番”の座を得ました。しかしドイツや東欧ではベーム式のクラリネットを採用せず、ドイツはドイツ式=ミュラー式の改良に熱を注ぎ、クラリネットを演奏するアーティトたちの意見などを取り入れながら進化し、ついに20世紀の初頭にクラリネット奏者であるO.エーラーによってエーラー式クラリネットが完成されました。現在でもドイツやオーストリアのウィーンなどではエーラー式クラリネットが採用されていることが多いようです。 |